お店でユッケを注文したら、リンゴの薄切りが添えられていた。
「なんでリンゴなの?」
そんな疑問をお持ちのあなたへ、意外な組み合わせにもちゃんとした理由があります。
この記事では、ユッケにリンゴが添えられている理由、リンゴの持つ効果について解説しています。
さらに、簡単に作れるユッケ風料理のレシピや、自宅で本物のユッケが食べられる方法も紹介しますので、参考にしてください。
なお、本記事は、わたくしが精肉店勤続20年超で得た経験・知識を交えて説明しています。
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ユッケとはどんな料理?意味は

- どんな料理?
- 意味は?
ユッケとはどんな料理?
ユッケとは、韓国の生肉料理のことです。
細切りにした牛肉の赤身部位(主にモモ肉)に、ごま油、砂糖、醤油、ニンニクなどを合わせたタレをかけます。
そこへ、卵黄を落とし、よくかき混ぜていただく料理です。
ユッケの意味は?
「肉の刺身」
ユッケは、漢字で「肉膾」と表し、肉を生で食べる「肉の刺身」という意味です。
韓国語では肉の刺身を、肉(ユック)、刺身(フェ)と発音します。
ユックとフェが合わさった「ユッフェ」がユッケの語源とされています。
なぜリンゴが添えられているの?
焼肉屋などで提供されるユッケには、必ずといって良いほどリンゴの薄切りが添えられています。
なぜ生肉に、りんごが添えられているのか?その理由を探っていきます。
リンゴは、ビタミン、ミネラル、食物繊維ご豊富なフルーツです。
リンゴを食べることで期待できる効果は以下になります。
- 整腸作用とコレステロールの吸収を阻害
- 疲労回復
- 抗酸化作用
整腸作用とコレステロールの吸収を阻害
リンゴには、水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。
ペクチンには、整腸作用、コレステロールの吸収を阻害する効果があります。
また、腸を活発にし、排便をサポートしてくれるレグナンやセルロースという不溶性食物繊維も含まれており、消化を促しコレステロール吸収の阻害に活躍します。
疲労回復
リンゴの酸味のもとである有機酸(リンゴ酸やクエン酸)には、疲労回復の効果があります。
抗酸化作用
リンゴの皮や果肉に含まれているポリフェノールには抗酸化作用があり、老化や動脈硬化などを予防する効果があります。
このようにリンゴには、様々な効果のあることがわかりました。
なかでも注目すべき点は、整腸作用です。
生肉料理の特徴として、消化されにくい点が挙げられます。
ユッケにリンゴが添えられている一番の理由は、消化を促すためということになります。
韓国では、リンゴではなく梨
本場の韓国のユッケには、リンゴではなく梨が添えられています。
リンゴと梨にはどんな違いがあるのでしょう。
梨を食べることで得られる効果は以下になります。
- デトックス効果
- 夏バテ防止
- 整腸作用
- 消化促進
デトックス効果
梨に比較的多く含まれている成分にカリウムが挙げられます。
カリウムには利尿作用があり、体内の塩分を排出してくれることからむくみ解消やデトックス効果が期待できます。
夏バテ防止
約90%が水分の梨は、大量に汗をかいて失った水分とカリウム等のミネラル類の補給に最適です。
また、梨には疲労回復に効果があるアスパラギン酸が豊富に含まれています。
梨で、水分と栄養が同時に補給でき夏バテ防止にピッタリのフルーツです。
整腸作用
梨にはソルビトールという糖アルコールが含まれています。
ソルビトールは糖類の中でも低カロリーという特徴があり、整腸作用にも効果があります。
消化を促進
梨には、消化を促進する効果のあるタンパク質分解酵素「プロテアーゼ」を含んでいます。
プロテアーゼには消化促進の効果のほかに、お肉をやわらかくする働きがあります。
すりおろした梨を焼肉のタレに加えて、お肉を漬け込むと柔らかいお肉に仕上がります。
リンゴと梨に共通する効果は、整腸作用、消化促進でした。
ユッケに添えられているリンゴや梨は、ただの飾りではなく、しっかりとした理由があったのです。
「ユッケと梨」は韓国の定番。本当に合うの?実際にユッケと梨を食べてみました。
なぜ日本ではリンゴなのか

梨とリンゴには「整腸作用と消化促進作用」があることがわかりました。
なのにどうして、日本では「ユッケにはリンゴ」が主流なのでしょう。
考えられる理由は
- 価格の違い
- 出荷時期の違い
- 盛り付けた際の彩
価格の違い
まず、考えられるのが価格の違いです。
価格は、品種やサイズ(1玉の大きさ)、時期によって違いはありますが、スーパーで販売されている「梨・リンゴ」それぞれの価格相場は以下になります。
梨 | 税抜198円~298円以上 |
リンゴ | 税抜98円~198円以上 |
上記の通り、りんごは梨よりも安価で仕入れられることがわかります。
少しでも仕入れ価格を抑えたい飲食店にとっては、梨よりもリンゴの方が好都合なのではないでしょうか。
出荷時期の違い
次に出荷時期についてです。
梨は7月~12月ころまで出荷されるのに対し、リンゴは年間を通して出荷されます。
これには貯蔵性の違いが関係しており、梨はリンゴに比べ貯蔵性が良くない傾向にあります。
対して、リンゴは貯蔵性に優れているので、1年中出荷できるというわけです。
飲食店にとって、仕入れやすいのはもちろん年間通して出荷されているリンゴということになります。
盛り付けた際の彩

最後に盛り付けた際の彩についてです。
梨は、細切りにして添えられるのが一般的で、見た目は白一色。
それに対しリンゴは、皮ごと薄切りにして添えられることが多く、果肉の白色に加え皮の赤色が盛り付けた際に彩豊かにしてくれます。
お料理の見た目も大切にする飲食店にとって、リンゴの彩は欠かせないのではないでしょうか。
なぜ、日本のユッケにリンゴが主流なのかは、「価格、仕入れやすさ、彩」それぞれが梨よりも優れているという理由が考えられます。
桜ユッケとは?
馬肉を使用したユッケ
ユッケについて、いろいろ見ていると「桜ユッケ」という言葉を目にされたことがありませんか?
ここでは、「桜ユッケ」とは?について少し触れたいと思います。
ユッケには、馬肉やクジラ肉など牛肉以外のお肉を使用したものがあります。
「桜ユッケ」は、馬肉の赤身部位を使用したユッケのことです。
桜と呼ばれるには、いろんな説がありますが、一般的には、新鮮な馬肉が桜色をしているからという説です。
ほかに、興味深い説があったので紹介します。
江戸時代では、獣肉を食す事が禁じられており、特定の者だけがわかる隠語として馬肉を「桜(サクラ)」と呼んでいたという説です。
馬肉以外にも、猪肉を「牡丹(ボタン)」、鹿肉を「紅葉(モミジ)」、鶏肉を「柏(カシワ)」と呼んでいたようです。
これらの呼び方は、現在でも使われていますね。
簡単ユッケ風レシピ
お酒にピッタリ!簡単ユッケ風料理!
ユッケに似せた料理(ユッケ風)の作り方を2つ紹介します。
- 生ハムユッケ風
- コンビーフユッケ風
- 自宅で本物のユッケをたべる方法
生ハムユッケ風

生ハムの食感が、ユッケにそっくりでビールによく合う一品です。
👇以下に詳しい「生ハムユッケ」のレシピを公開してますので、参考にしてください。
コンビーフユッケ風

つけあわせのカットを除けば、調理工程はほぼ混ぜるだけの簡単・美味しい一品です。
コンビーフ独特のクセを克服したレシピはこちら👇
自宅で本物のユッケを食べる方法

ユッケ風の料理も良いけど、やっぱり本物のユッケが食べたい!そんなあなたに朗報です!
自宅で安心・安全の極上ユッケが食べられる方法があります。
国の定めた「生食用食肉の規格基準」を満たしたお肉業者から取り寄せる方法です。
以下に、わたくしが実際にユッケを取り寄せ、おすすめ順にまとめ記事がありますので、参考にしてください。👇
まとめ
- ユッケは韓国の生肉料理
- ユック(肉)フェ(刺身)が語源
- リンゴ・梨には整腸作用、消化促進作用がある
- 桜ユッケとは馬肉を使ったユッケ
- 自宅で極上ユッケを食べることができる
生肉にリンゴ?という意外な組み合わせにもしっかりとした理由があるのですね。
先人たちの知恵には本当に驚かされます。
今後も、ユッケの素晴らしさをお伝えしていきますので、よろしくお願いします。
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